白滝公園:湧水と森と溶岩のある公園   北伊豆エリア:三島ジオサイト/白滝公園 | QR Translator

白滝公園:湧水と森と溶岩のある公園   北伊豆エリア:三島ジオサイト/白滝公園


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白滝公園で湧水と木々と溶岩をたのしむ

大きな欅の木々があり、木陰の多い心地好い公園内です。
足もとにはごつごつした三島溶岩が露出していますので足もとには気を付けて歩いてください。
この溶岩のすき間からは、溶岩の中を流れてきた地下水が湧きだし、少し離れた菰池からの湧水と合流し、桜川となっています。
ここは三島の一大湧水地で、かつては湧き上がる水量が多く、滝のように流れ落ちることから「白滝」と呼ばれたのが白滝公園の名前の由来です。

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①    ミニ溶岩塚
白滝公園の中に、表面に亀裂がはいった小さな高まりがあります。富士山から流れてきた溶岩がつくった、溶岩塚という地形です。
白滝公園の溶岩塚はとても小さなものですが、ふくらんでできた亀裂がよくわかります。
ここや楽寿園をはじめとして、三島駅周辺にはたくさんの溶岩塚があります。

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②    縄状溶岩と湧水
冷え固まった溶岩の表面が、溶岩の流れに引っ張られて「しわ」のような形を作ることがあります。たばねた縄のような形から「縄状溶岩」と呼ばれます。
白滝公園では、こうした溶岩のすき間からの湧水があちこちにありますので、探してみてください。

溶岩のでき方
流れる溶岩は、1000℃近い高温ですが、空気や地面に触れている表面や底はすぐに冷え固まってしまい、かたい「殻」ができます。
しかし、内部の溶岩はどろどろに溶けたままですので、あとから流れてきた溶岩が、「殻」を押し上げて、お餅のようにふくらんだドーム状の地形をつくることがあります。


南から来た火山の贈りもの
本州で唯一、フィリピン海プレート上に位置する伊豆半島は、かつては南洋にあった火山島や海底火山の集まりでした。
この海底火山群は、プレートとともに北上し、本州に衝突して半島になりました。約60万年前のできごとです。
伊豆半島では、現在も火山活動や地殻変動が続いており、これによって豊かな温泉や湧水などの恵み、変化に富んだ地形をもつ魅力的な半島が形作られています。

ここは「三島市」
およそ10万年前、伊豆と本州の境界付近に富士山が誕生しました。
約1万年前の噴火では、愛鷹山と箱根に挟まれた谷を溶岩が流れ下り、三島付近にまで到達しました。
「三島溶岩」と呼ばれるこの溶岩は、三島市北部の大地を作りだしました。
また、亀裂やすき間の多い溶岩は、地下水の通り道となって、溶岩の末端付近にたくさんの湧き水をもたらしています。
湧水は多くのせせらぎを作りだしました。源兵衛川や桜川などの用水も、湧水とともに暮らしてきた人々の知恵で、たくさんの工夫がつまっています。
街中で見られる三島溶岩やたくさんの湧水だけでなく、水辺の生き物や湧水を使った特産品などもぜひ楽しんでください。